草加せんべい 五楽堂のこだわり

草加せんべい 五楽堂のこだわり

先代の篠田五郎右衛門は、創業当初はだんご屋を営んでおりました。
お茶に漬物付きが受けて評判となり、この時すでにせんべいも売り、うまいせんべいが置いてある店としても知られていました。
せんべいを本業にしたのは、2代目の篠田保です。
せんべいがよく売れることを見越し、生地づくりにも乗り出しました。 しかし、昭和12年の日華事変以降、戦時色が強まり業者は廃業へと追いやられ、この間は初代の遺産ともいうべき茶の販売で食いつないでいました。
せんべいを再開できたのは昭和25年以降です。
そして3代目篠田清が継ぎ篠田保商店、篠田商店、現在4代目篠田太一朗と続いた店が「五楽堂」です。

草加せんべいと五楽堂

江戸時代の中頃、草加は、江戸を基点とした奥州日光街道の最初の宿場として、発展して来ました。その頃、この草加で造り始めた塩煎餅が、「草加煎餅」の発祥です。
一説には、茶店で売れ残った団子を、旅の武士に教えられて、団子を平らに延ばし、天日で乾したもの(生地)を焼き上げ、正油を塗ったのが始まりともされています。
以来、「草加せんべい」の素朴で、飽きの来ない、日本人の自然指向に合った味は、簡単な、保存食兼、携帯食として、旅人の口から口へと評判となり、江戸でも有名となりました。
草加近在の良質な硬質米と、極上の正油を使った「草加せんべい」の風味は、爽やかな歯ざわりと、米の高い香り、質実剛健な素朴さが特徴と云えます。 しのだ五楽堂は、明治三十八年、篠田五郎右衛門が、草加で創業して以来、草加で造られた伝統の味を大切に、厳選した精選白米を原料とし、一枚一枚心を込めて焼き上げ、 皆様に親しまれるせんべいを造り続けてまいりました。

生地づくりへのこだわり

五楽堂の草加せんべいは基本的な作り方は、
今もその頃と変わりません。

~ 生地ができるまで ~

  • 洗米

    うるち白米を洗米します。

  • 製粉・練り

    粉にして、熱湯を加えてこねます。

  • せいろ作業・蒸し

    これを一握りくらいの大きさにしてせいろに並べ、蒸します。

  • 練り・冷やしアク抜

    搗き機で搗き、水にさらしてあく抜き。

  • 搗き・型抜

    もう一度きめ細かに搗いて、同じ厚さに伸ばし、型抜きをします。

  • 乾燥

    生地を乾燥させます。乾燥の具合の判断は長年の“カン”です。

草加せんべい 五楽堂のこだわり

ほいろ

焼き台の上部に作られた水分を調整するため、ほいろの箱の中に生地をいれます。
(二次乾燥させるための箱を「ほいろ」と言います)

焼き

生地を取り出し焼き台の上にのせ、押し瓦で押して 何度も箸で機敏にひっくり返して生地が反らないように押し瓦で押しながら焼きます。

味つけ

熱いうちに刷毛で醤油を塗ります。
熱いうちに塗ることで醤油がしみ込み、風味が変わります。

仕上げ

乾かしてできあがりです。
米の風味としょうゆの香ばしさがほどよく合い、素朴な味がつくり出されます。

五楽堂の草加せんべいができるまでを動画でご紹介